過呼吸(過換気症候群)と自律神経の関係について
過呼吸(かこきゅう)は「過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)」「神経性呼吸困難(しんけいせいこきゅうこんなん)」と呼ばれています。自分の意志ではなく発作的に呼吸が速くなり、呼吸困難を伴う全身症状を起こす症候群です。
女性に多く見られる疾患ですが、近年では子どもの「過換気症候群」も増えているため、子どもから大人まで注意が必要です。ですので、私は大丈夫と思わずに、まずは過呼吸の原因と対処法について知っておきましょう。
また、よく「過呼吸(かこきゅう)」と呼ばれる現象は「過換気症候群」のことを指していることが多いです。本来、「過呼吸」はスポーツなどハードな運動によって発症するものを指し、精神的な要因によるものは「過換気症候群」と言い、過呼吸と過換気症候群は厳密には異なります。
空気を吸っているのに呼吸ができない、息苦しさ、胸の痛み、動悸 頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、指先のしびれ、全身の筋肉の硬直、けいれん、失神、意識消失、発作は約30分~1時間で消失
過呼吸の症状はお、主に上記のようなものがあります。このような症状からさらに必死で息を吸おうとする悪循環になり発作が続きます。ほとんどは30分~1時間で治まりその後は良好な場合がほとんどですが、いつ発作が起こるか分からないという不安も付きまといます。
ストレス要因の特定しましょう。
過呼吸は呼吸が速くなることで血液中の酸素濃度が増えて、二酸化炭素濃度が減ることにより、血液がアルカリ性に傾くために起こります。
過換気症候群を起こす要因には、様々なストレスがありますが、過換気症候群は主に不安、緊張、興奮、恐怖といった「精神的ストレス」「身体的ストレス」「化学ストレス」「テクノストレス」がきっかけとなる「心身症」の一つとされています。過呼吸は、呼吸を司る自律神経と深く関係しています。
過換気症候群はどのように起こるものなのか
私たちの体は自分の意志とは関係なく「自律神経」によって、神経、内分泌系、免疫の調整をし、血流や血圧、心拍、体温、発汗など、生きるために重要な全身の機能がコントロールされていますが、自律神経は2つの神経がバランスを取りながら働いています。
「交感神経」=起きている時、興奮している時、緊張している時に優位
「副交感神経」=眠っている時、休息している時、リラックスしている時に優位
呼吸をしている時の自律神経の働きは、主に「息を吸う時(吸気)=交感神経」 「息を吐くとき(呼気)=副交感神経) が働き、どちらが優位になるかによって呼吸の仕方が異なります。交感神経優位(緊張・興奮)→呼吸は早く、浅くなる
副交感神経優位(休息・リラックス)→呼吸はゆっくり、深くなるよって強い精神的ストレスにより交感神経が優位になった時には、おのずと呼吸は早く、浅くなり、それが更なる不安や緊張を助長させ、過呼吸となり発作につながっていくのです。
内臓運動の中で、唯一「呼吸」だけは自分でコントロールできる自分の意志で心臓を止めたり動かしたりできないように、自律神経による働きは、通常自分の意志通りには動いてくれませんが、唯一呼吸だけは自分の意志で調節できるものです。
発表会などで、緊張をほぐす時にスタート前にフーっと息を吐いている場面を見かけます。自分でもそうして緊張を取ろうとした経験があると思います。リラックスしようとした時には、ゆっくりと深い呼吸を心がければ、おのずと副交感神経が優位になるからです。胸で呼吸をする「胸式呼吸」は呼吸が浅いため、「腹式呼吸」がすすめられいるのはそのためです。
逆を言えば、呼吸によって自律神経の働きをコントロールすることもできるということです。過呼吸は、精神的ストレスによる交感神経の興奮によって起こります。そのため息をゆっくり吐くことで副交感神経を優位にさせることが必要です。
過換気症候群に対する周囲の理解が大切です。
過換気症候群の発作は、呼吸を整えば治まります。以下のことを意識して、周囲が慌てずに本人を落ち着かせて対処しましょう。
「ゆっくり息を吐いてね」と優しく呼びかけます。吸う:吐く=1:2位の割合になるようにゆっくり息を吐くこと1回に10秒位かけてゆっくり吐く背中をゆっくりなでながら呼吸のリズムを整えるようにしてあげる。
応急処置に「ペーパーバック法」という紙袋で口と鼻を覆い、ゆっくり再呼吸させる方法がありますが、これは医師ではない人が促す場合、窒息状態を招く危険があるため、行わない方がよいとされています。
過呼吸の特徴は、ある程度時間が経つと治まるということです。そのため基本的には、過呼吸になった場合には「そっと落ち着かせ呼吸を整えさせる」ことが大切です。
対処法としては、ペーパーバッグ法などを用いて発作を消失させ、それで効果がみられない場合には、鎮静薬の注射を考慮します。最も注意したいことは、親(周り)がパニックになってしまうことです。子ども(大人も同様)が過呼吸になった場合には、周りが慌てないよう、本人を余計不安や恐怖にさせないようにすることが大切です。
過換気症候群は、うつ病、自律神経失調症、パニック障害などの精神疾患の一症状として起こることもあります。気になる方は、専門家へ相談することにしましょう。
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