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乗り物酔いと自律神経

乗り物酔いの原因は、自律神経の乱れにある?

 あなたは、車、電車、船、飛行機など乗り物に乗るとすぐに酔ってしまい悩んでいませんか?
その困った乗り物酔いの症状、もしかすると自律神経の乱れが原因かも知れません。


 実は乗り物酔いは自律神経失調症と同じようなメカニズムで起こっているのです。医学的には動揺病、加速度病と呼ばれています。


 症状は3~4歳頃から現れ、小中学生でピークをむかえ、その後は減少し、20歳過ぎると一度落ち着いてくる傾向があります。しかし40~50代で再び増えます。子供のイメージが強いですが、実は40~50代の方で悩んでいるケースも最近では多く見られます。


乗り物酔いのメカニズム

人が乗り物酔いを起こしたとき、身体の中では一体何が起きているのでしょうか?

 人間の平衡感覚の中核をなしているのは、耳の中にある三半規管です。三半規管の中のリンパ液が揺れたり、傾いたりすることで自分が今おかれている位置情報を確認して、状況を判断します。乗り物の振動や加速、体の傾斜などの刺激は内耳にあるこの三半規管でとらえられます。するとこの情報が脳から眼球に伝えられて、眼球も頭の位置と協調して動くように指示されます。


 しかし実際は椅子に座っていて、目や耳から入ってくる情報と、身体(筋肉など)から入ってくる情報にズレが生じます。(簡単に言うと、目や耳からの情報は「動いている」身体からの情報は「止まっている」)


 この平衡感覚情報のズレが乗り物酔いの原因です。頭の位置と目から入る情報がズレて、脳が混乱すると乗り物酔いが起こります。自分は動いていないのに、周りの風景は動いていく、自分は動いていないのに、上下左右に体が動く、そうすると、この情報のズレが感情をコントロールしている偏桃体に伝わって、不快として処理されます。


 不快と処理された感情は、脳の判断によって、視床下部が反応し、自律神経が刺激され、さらに視床下部から下垂体に指令が出されます。そして不快なストレスに対抗するために、ストレスホルモンが分泌されます。その結果、視床下部の反応とストレスホルモンの刺激によって、自律神経が異常に興奮し、血圧を上げたり下げたり、胃を不規則に動かしたり、こういった身体の不調が出てきます。


乗り物酔いの症状

乗り物酔いは突発的な自律神経失調症

 乗り物酔いの症状としては「生唾、あくび、冷え、顔面蒼白、吐き気、嘔吐、めまい、頭痛」等が挙げられます。つまり乗り物酔いは突発的にでる自律神経失調症といえます。


 自律神経の調子を乱されることに対して、ある程度の耐性がある人は、たとえ乗り物酔いを起こしたとしても、重篤な吐き気や激しい症状は出にくいのですが、自律神経が不安定な方や自律神経失調症、うつ病などを患う方にとっては、少しのバランスの崩れが強い不快感、ストレスとなるため注意が必要です。


 個人差はありますが、酔っている人と、酔っていない人のストレスホルモンの分泌量は、約10倍の差があり、酔っていない人にはストレスホルモンの増加はほぼ見られないそうです。


乗り物酔いの対処法

 乗り物酔いは慣れれば解消すると言われています。しかしその苦痛は相当なものです。では、乗り物酔いの対処法としてはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。その対処法は大きく分けて二つあります。


乗り物酔いの対処法1

 一つ目は「平衡感覚情報のズレを少なくすること」です。脳が感じ取る情報のズレを少なくすれば、乗り物酔いになる危険性をかなり少なくすることができます。車の助手席や後部座席で地図を見たり、読書やテレビ、ゲームなどをしていると酔い安いことは皆さん経験があると思います。


 カーブやブレーキによる動きなど、内耳でとらえた頭の位置情報と、地図を見つめている眼球から入る情報にズレがあるからです。逆に遠くの景色を見ていると酔いにくいのは、こうした情報のズレが少ないからです。車に乗っている自分は身体の位置情報からしたら動いていません、当然周りの風景が動いていてはおかしい訳です。動きの小さい遠くの景色を見るように意識して下さい。


 また揺れを認識すること、揺れに身を任せないことも大切です。「次の瞬間揺れそうだ」などがわかっているのは重要で、揺れが予測できれば情報のズレを少なくすることができます。車の状況が認識できる前の座席や窓側の座席に座り、なるべく体は進行方向を向くようにして下さい。


 あと車のコンディションも重要です。空気圧などが正常に保たれていないと車が揺れやすくなり、これが情報のズレを大きくさせます。また硬い座席の方が、揺れが大きくなりません。バスや大型車で酔いやすいのは、普通の車よりもはるかに揺れが大きいからです。


 更に揺れは前後左右といった水平方向より、上下方向に揺れたほうが酔いやすいです。例えば車や電車では大丈夫な人が、船や飛行機では酔ってしまうのはこのためです。そしてスムーズな運転が大切です。普段は乗り物酔いをしないという人でも急発進、急ブレーキを行った荒い運転の場合、乗り物酔いを起こす確率が約25%も増えるそうです。


乗り物酔いの対処法2

 二つ目は「自律神経を落ち着かせること」です。例え情報のズレがあったとしても、自律神経が正常に保たれていれば乗り物酔いの症状を食い止めることができます。乗り物酔いは副交感神経が優位になることで発生します。


 本来優位に活動すべきでない神経の働きによってバランスが崩れてしまっているわけです。当たり前のことですが、まずは酔い止めの薬を飲むことが大切です。抗ヒスタミン酸には自律神経を整える作用と、胃腸の働きを正常に保つ作用があります。


 乗り物酔いは脳の機能が低下していると起こりやすく、睡眠不足や過労、ストレスがよくありません。睡眠不足や過労、ストレスは自律神経の働きを低下させ、少しの情報のズレで酔いやすくなります。こうした生活習慣が原因になっている場合も多く見られます。


 満腹時や空腹時もよくありません。その他に乗り物酔いで一度嫌な経験をすると、その後、酔い易くなることもあります。またベルトを緩め、衣類をきつくしないことも大切です。それに匂いも重要です。自分の気に入らない臭いがすると、乗っている間ずっとその臭いを嗅ぎ続けなければならないため、ストレスを強く感じます。そのため自律神経が乱れやすくなり、身体の調節機能は低下してしまいます。


 チョコレートや飴を食べながら乗るのも、乗り物酔いを起こしにくくする効果があります。血糖値を上げる食べ物は乗り物酔いを起こしにくくする作用があります。しかし食べ過ぎはかえって自律神経を乱れさせてしまうため注意が必要です。柑橘系のものは食べてはダメです。胃の働きを活発にして、吐きやすくしてしまうので食べるのはやめましょう。


 酔ってしまった時は、氷を食べたり、首周りを冷やすなどして、刺激を与えることで交感神経優位の状態にして、酔いを緩和するとよいでしょう。


乗り物酔いや・自律神経失調症でお悩みの方は、横浜アーク整体院までお気軽にお問い合わせください。


 乗り物酔いの対策は、以上のことを心掛けながら訓練してみるといいかも知れません。しかし何をしても乗り物酔いの改善が見られない場合は、身体の調節機能が落ちていたり、未熟であることが考えられるため、自律神経の調整が必要です。これまで述べたように乗り物酔いは自律神経と深く関わっています。乗り物酔いでお悩みの方は、横浜アーク整体院まで、お早めにに是非ご相談下さい。


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